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竹内 正行; 大橋 和夫; 藤咲 和彦*; 石橋 祐三; 武田 誠一郎
PNC TN8410 98-060, 74 Pages, 1998/03
(目的)本件は、Tiより耐食性に優れ、かつTi-5Ta、Zr等よりも装置の製作コストが安価な材料を創製することを目的として実施した。(方法)機器材料開発室で行なった耐食性Ti系合金の試作結果に基づき、Tiの耐食性を向上させる元素としてNbを選定した。そしてNbの添加量を変化させたTi-Nb合金を4種類(Ti-3Nb,Ti-5Nb,Ti-10Nb,Ti-20Nb)試作した。試作した合金について機械的強度、熱間加工性、耐食性に関する評価を行なった。(結果)評価結果を以下に示す。(1)いずれのTi-Nb合金も、目標通りの組成に溶製できた。(2)TiにNbを添加することにより機械的強度は強化され、Nb量とともに強化の度合いは高くなる。なお、いずれの合金についても熱間加工性は良好であるといえる。(3)Ti-3NbおよびTi-5Nbの室温での曲げ加工性は良好であった。Ti-10Nbでは1枚は良好な結果であったが、1枚について部分的に肌荒れが観察された。なお、Ti-20Nbはまったく変形せずに破断した。(4)酸回収蒸発缶模擬液中において、Ti-Nb合金の腐食速度はNb添加量とともに低下し、いずれの合金についてもTiより優れた耐食性を示した。Ti-Nb合金の腐食形態は、いずれも全面腐食であった。(5)Ti-Nb合金の優れた耐食性は、表面に生成するTiO2皮膜に起因している。NbはNb2O5として材料表面に濃縮し、TiO2皮膜の保護性を向上させると考えられる。(結論)今回試作した4種類のTi-Nb合金のなかでは、Ti-10NbがTi-5Taより安価で、高い耐食性と良好な加工性を兼ね備えた合金であるといえる。より最適なNb量の決定に際しては、10wt%Nbを中心としてNb量をパラメータとしたTi-Nb合金を試作し、各種評価を実施する必要がある。また、機器材料としたときに要求される溶接性についての検討も必要である。